身内が亡くなった後の手続き~2週間以内に行うこと~

保険証の返却を行う

故人が健康保険に加入していた場合(会社員など)

故人の勤め先に健康保険証を返却します。

故人が世帯主であった場合、さらに下記手続きのいずれかを行います。

  1. 健康保険への加入(14日以内に市区町村窓口へ)
  2. 任意継続被保険者資格取得の申請(20日以内に各協会けんぽ・健康保険組合へ)
  3. 故人以外の家族の健康保険の被扶養者になる(新たな世帯主の勤め先へ相談)

故人が国民健康保険に加入していた場合(自営業者など)

市区町村窓口に健康保険証を返却します。

故人が世帯主で家族が扶養家族として国民健康保険に加入していた場合、世帯主を書き換えた新しい健康保険証を発行してもらいます。

後期高齢者医療制度に加入していた場合(75歳以上など)

故人が75歳以上又は65歳以上で一定の障害がある場合、限度額適用・標準負担額減額認定証と特定疾病医療受領証を、市区町村窓口に提出します(申請書は必要ありません)。なお、葬儀を行うと葬祭費が支給されます。併せて申請書を提出しましょう。

なお、故人が介護保険サービスを受けていた場合は、介護保険証の返却と併せて「介護保険資格取得・異動・喪失届」を市区町村窓口に提出します。

身体障がい者手帳などの交付を受けていた場合も、市区町村窓口に返却します。

年金の受給を停止する

故人が年金を受け取っていた場合、年金受給を停止する必要があります。

厚生年金の場合は10日以内に、国民年金の場合は14日以内に行います。

年金事務所や年金相談センターに「年金受給権者死亡届(報告書)」を提出しますが、日本年金機構にマイナンバーの届け出をしていれば提出を省略できます。

未支給の年金を受給する

故人に支払いを受けるべき年金がある場合、生計を同じくしていた遺族は「未支給【年金・保険給付】請求書」を年金事務所等に提出することで、亡くなった月の分まで受給することができます。

未支給年金の支払い請求には、①配偶者、②子、③父母、④孫、⑤祖父母、⑥兄弟姉妹、⑦その他という優先順位があります。

5年を過ぎると時効で未支給年金を請求できなくなるため、注意が必要です。

遺族年金を請求する

「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「寡婦年金」「死亡一時金」は、年金事務所や年金相談センターに以下を提出することで請求できます。

・「年金請求書」または「国民年金死亡一時金請求書」

・年金手帳

・年金証書(受給している場合)

・死亡診断書のコピー

・戸籍謄本

・住民票(世帯全員)

・個人の住民票の除票

・在学証明書または学生証

・所得証明書(請求者の収入が確認できるもの)

・金融機関の通帳

・印鑑(朱肉を使用するもの)

遺族基礎年金の受給基準

故人によって生計を維持されていた子のいる配偶者またはが受け取ることができます。

ただし、子は、結婚していないことに加えて、以下のいずれかに該当する必要があります。

①18歳以下

②20歳未満で、障がい等級1級または2級の障がい状態にある

遺族厚生年金の受給基準

厚生年金に加入していた故人によって生計を維持されていた、優先順位の高い遺族(①妻・子・夫、②父母、③孫、④祖父母)が受け取ることができます。

・「妻」

30歳未満で子がいない場合、受給期間は5年間

・「子、孫」 

結婚していないことに加えて、18歳以下もしくは20歳未満で、障害等級1級または2級の障がい状態にある者

・「夫、父母、祖父母(いずれも55歳以上)」 

支給期間は60歳から。夫は遺族基礎年金を受給している場合、60歳前でも遺族厚生年金を併せて受給できる。

寡婦年金の受給基準

第1号被保険者として国民年金の保険料を10年以上納めた故人(夫)によって、生計を維持されていた65歳未満の妻が受け取ることができます。

ただし、次に該当する場合は請求できません。

・故人が「障がい基礎年金の受給権者」または「老齢基礎年金を受給したことがある」

・妻が老人基礎年金を繰り上げで受給している

・故人と妻との婚姻関係が10年未満

・妻が受給年齢(60~64歳)の要件を満たしていない

なお、死亡一時金の受給要件も同時に満たす場合は、どちらを受け取るかを選択することになります。

死亡一時金の受給基準

第1号保険者として国民年金の保険料を36か月以上納めた故人と生計を同じくしていた、優先順位が高いいずれかの遺族(①配偶者、②子、③父母、④孫、⑤祖父母、⑥兄弟姉妹)が受け取ることができます。

ただし、故人が「障がい基礎年金の受給権者」または「老齢基礎年金を受給したことがある」場合は請求できません。

なお、寡婦年金の受給要件も同時に満たす場合は、どちらを受け取るかを選択することになります。

世帯主を変更する

世帯主が亡くなり、15歳以上の世帯員が複数人いる場合は、世帯主変更手続きを行います。新たな世帯主、世帯員または代理人(要委任状)が申請書を市区町村窓口に提出します。役所には以下を持っていきます。

・申請書(「世帯主変更届」「住民異動届」など)

・届出人の身分が確認できるもの

・印鑑(朱肉を使用するもの)

残された15歳以上の者が複数いない場合、15歳以上の方が自動的に世帯主となるため、手続きの必要はありません。

お問い合わせ | いしがみ行政書士事務所 (ishigami-gyoseisyoshi.com)

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